EC-CUBE4を検証するために、Windows10にEC-CUBE4をインストールした時の記録。
尚、検証に使用したwindows10環境には、事前にxampp環境が構築されており、PHP7.3.2が利用できる状態である。
Windows10にEC-CUBE4をインストールする4つの方法
EC-CUBE4のインストールについては、EC-CUBE 4.0 開発ドキュメント・マニュアルのインストール方法という章に記載がある。
このドキュメントによると、EC-CUBE4には、下記4つのインストール方法がある。
- パッケージを使用してインストールする
- コマンドラインからインストールする
- Webインストーラでインストールする
- Dockerを使用してインストールする
今回、EC-CUBE4をWindows10にインストールした方法には「パッケージを使用してインストールする」を選択した。
EC-CUBE4インストールの準備
EC-CUBE4のインストールを実行する前に、準備しなければならないことがある。
EC-CUBE4のダウンロード
EC-CUBE4のダウンロードはEC-CUBE4 Downloadより可能。
EC-CUBE4のダウンロードをするためには、EC-CUBEメンバーに登録しなければならない。
メンバー登録は要求される入力項目も少なく簡単だ。個人情報に神経質な方にとっても、敷居は低いだろう。
筆者がダウンロードしたEC-CUBEはVersion4.0.3で、zip形式にパッケージされた40MBほどのサイズのファイルだ。
データベースの準備
以下では、EC-CUBE4を導入する環境に、MySQL(MariaDB)が導入されていることを前提として解説をする。
まず、EC-CUBE4で使用するデータベースを作成する。
データベースのオペレーションについては詳述しないが、下記は「testeccube」というデータベースを作成するコマンドの例である。
CREATE DATABASE `testeccube` DEFAULT CHARACTER SET utf8 COLLATE utf8_unicode_ci;
次に、データベースユーザーを作成する。
下記は「testeccube」というデータベースにアクセス権を持つ「tstuser」というユーザーを「password」というパスワードを付与して作成する例である。
GRANT ALL ON testeccube.* TO 'tstuser'@'localhost' identified by 'password';
データベースに関する準備は、以上で完了だ。
パッケージを使用したEC-CUBE4のインストール
EC-CUBE4のパッケージを利用してインストールする方法とは、EC-CUBEのコード一式をWEBサーバーに展開し、ブラウザからインストーラをキックする方法だ。
例えば、Windows10のxampp環境で稼働するhttpd(apache)のドキュメントルートが、c:\xampp\htdocs
だとすると、c:\xampp\htdocs
以下にEC-CUBE4のモジュールを展開する。
その後、WEBブラウザを使用して、EC-CUBE4のURLにアクセスすることで、EC-CUBE4のインストーラを起動する。
よくあるxamppの構成だと、以下のような感じになるだろう。
c:\xampp\htdocs
以下にeccubeというディレクトリを作成し、そこにEC-CUBE4を展開する。EC-CUBE4展開後のディレクトリ構成は、c:\xampp\htdocs\eccube
となる。- ブラウザから、EC-CUBE4のURL(
http://loalhost/eccube/
)にアクセスする。
[必須] intl拡張モジュールが有効になっていません。 システム要件をご確認ください
EC-CUBE4のインストールを実行したところ、「[必須] intl拡張モジュールが有効になっていません。」とエラー表示がされた。
仕方がないので、phpのintl拡張モジュールをインストールする。
intl拡張モジュールのインストールについては、Windows10 xampp環境のPHPにintl拡張モジュールをインストールするを参照のこと。
Windows10にEC-CUBE4をインストールする手順
Windows10のxampp環境にEC-CUBE4をインストールする際に、表示される画面のフローは下記の通り。
- ようこそ画面
- 権限チェック画面
- サイトの設定画面
- データベースの設定画面
- データベースの初期化画面
- インストールの完了画面
ようこそ画面
よくあるWelcome画面だが、EC-CUBEのインストール要件が整っていないと、エラー表示がされるようだ。
筆者の場合は、「intl拡張モジュールが有効になっていません」エラーが表示された。
権限チェック画面
権限チェックは、Windows10にインストールする場合には、あまり気にしなくて良いと思われる。
ただ、「ようこそ画面」から「権限チェック画面」に遷移するまでに、少々時間を要したような印象はある。
サイトの設定画面
構築するサイトに関する基礎的な情報を指定する画面となる。
入力項目は下記の通り。
- あなたの店名
- 構築するサイトの名称となる。
- メールアドレス(受注メールなどの宛先になります)
- 運営するサイトの管理者用メールアドレスとなる。
- 管理画面ログインID(半角英数字4~50文字)
- 初期登録される管理者用アカウント。
- 管理画面パスワード(半角英数字8~32文字)
- 初期登録される管理者用アカウントのパスワード。
- 管理画面のディレクトリ名(半角英数字4~50文字)
- 管理画面にアクセスするURLとなる。「admin」は指定できない。
- サイトへのアクセスを、SSL(https)経由に制限します
- 取り敢えず未設定で問題ない。
- 管理画面へのアクセスを、以下のIPに制限します
- 取り敢えず未設定で問題ない。
- SMTPホスト
- 構築したテスト環境からメールを飛ばす場合は指定が必要だろうが、ローカルのテスト環境であれば未設定にする。
- SMTPポート
- 未設定。
- SMTPユーザー
- 未設定。
- SMTPパスワード
- 未設定。
データベースの設定画面
EC-CUBE4で使用するデータベースに関する設定をする。
入力項目は下記の通り。
- データベースの種類
- 構築するサイトの名称となる。ドロップダウンリスト形式で、あらかじめ提示されている項目からしか選べない。MySQLを選択する。
- データベースのホスト名
- データベースのホスト名を指定する。ローカル環境に構築するテスト環境だからと手を抜いて空白にしてしまうと、後の処理でエラーとなる。この項目は環境依存だが、ローカルのテスト環境であれば「localhost」等を指定する。
- データベースのポート番号
- ローカルのテスト環境であれば、空白。
- データベース名
- 作成したデータベース名を指定する。ここでは「testeccube」を指定する。
- ユーザ名
- データベースに接続するユーザー名を指定する。ここでは「testeccube」を指定する。
- パスワード
- データベースにアクセスするパスワードを指定する。ここでは「password」を指定する。この項目を空白にしたり、間違ったパスワードを指定すると「データベースに接続できませんでした。An exception occurred in driver: SQLSTATE[HY000] [1045] Access denied for user ‘testeccube’@’localhost’ (using password: NO)」というエラーになる。
データベースの初期化画面
ここは「次へ進む」コマンドボタンを押すだけ。
環境にもよるが、それほど時間を要さずに完了する。
インストールが完了しました!画面
EC-CUBE4のインストールが正常に完了した。
「管理画面を表示」ボタンを押すと、EC-CUBE4のログイン画面に遷移する。
環境さえ整っていればEC-CUBE4のインストールは難しくない
今回、Windows10/xamppという組み合わせの環境にEC-CUBE4をインストールしたが、インストール自体は良好だった。
MySQLのデータベース構築とintl拡張モジュールのインストールなど、EC-CUBE4とは直接関係ない部分で苦労をしたという印象だ。
恐らくWindows10環境を一般に公開することはないだろう。
しかし、ローカルのマシンにテスト環境があると何かと便利ではある。
Windows10にEC-CUBE4をインストールする方のお役に立てれば幸いだ。