「レンタルサーバー」で公開中のWordpressを、ローカルのWindows環境に手動で引っ越すための手順をまとめる。
レンタルサーバーで稼働中のWordpressをWindowsに引っ越す手順
WordPressを引っ越す手順は色々あるが、今回はプラグインを使わずに、手動で移設する方法を紹介する。尚、前提条件として、Windows環境では、Apache(httpサーバー)とMySQLが稼働しているものとする。
レンタルサーバーで稼働しているWordpressを、Windowsに引っ越すためには、下記手順が必要になる。
- レンタルサーバーで稼働中のWordPressファイル一式とデータベースをバックアップする。
- レンタルサーバーから取得したWordPressファイル一式とデータベースをWindowsに展開する。
- wp-config.phpファイルをカスタマイズする。
- .htaccessファイルをカスタマイズする。
- データベース内に保持されているURLを書き換える。
WordPressファイルの取得は、FTPで取得する。
データベースは、phpMyAdminのエクスポート機能で取得できる。
WordPressファイルとデータベースのバックアップ
WordPressファイル一式のバックアップ
レンタルサーバーで稼働中のWordPressのファイルは、FTPを使ってバックアップする。
FTPでレンタルサーバーの公開ディレクトリにアクセスして、WordPressのディレクトリを丸ごと、Windows環境にコピーするのだ。
少々荒っぽい手順に思えるが、WordPressで表示していた画像ファイルなども一緒にバックアップできる。
WordPressデータベースのバックアップ
データベースのバックアップは、phpMyAdminのエクスポート機能を使えば、ローカル環境(Windows)に取得できる。
バックアップしたWordPressをWindowsにリストアする
WordPressファイル一式のリストア
レンタルサーバーからバックアップしたWordPressファイルを、Windowsにリストアする。
特に難しい手順は無く、Windowsの適当なディレクトリにコピーするだけだ。
但し、リストア先のディレクトリは、Windows上で動作するhttpサーバーの公開ディレクトリ(例えば、C:¥xampp¥htdocs など)に展開すること。
WordPressデータベースのリストア
レンタルサーバーのデータベースからエクスポートしたデータを、WindowsのMySQLにインポートする。
データベースのインポートにも、phpMyAdminのインポート機能を利用できる。
データベース内のURLを書き換える
WordPressは、データベース内に公開環境のURLを持っている。
このURLを、引っ越し先(つまりローカルのWindows環境)に合わせないと動かない。レンタルサーバーのデータベースからエクスポートしたデータを、Windows環境に単純にインポートしただけではWordpressは動かない。
レンタルサーバーで稼働しているWordPressをWindowsに引っ越した場合、レンタルサーバーからエクスポートしたデータベースの中にある、古いURL(レンタルサーバーで稼働しているURL)を、引っ越し先のURLに更新する。
これらの作業は、phpMyAdminを使って実現できる(他にもやり方はある)。
データベース内の文字列を一括で書き換えるには、文字列関数のREPLACE()を使用する。
使用例は下記の通り。
UPDATE テーブル名 SET カラム名=REPLACE(カラム名,"置換対象","置換後の文字");
旧環境のURLを更新するには、URLを書き換えるテーブルとフィールドを明確にしなければならない。
下記テーブル内にある、旧環境のURLを更新を行えば取り敢えず動作する。
- optionsテーブルのoption_valueカラム
- postsテーブルのguidカラム
- postsテーブルのpost_contentカラム
- postmetaテーブルのmeta_valueカラム
例えば、optionsテーブルのURLを書き換えるSQL例は下記の通り。
UPDATE options SET option_value=REPLACE(option_value,"www.old.com","www.new.com");
尚、Wordpressのテーブルは、通常「wp_」のようなプレフィクスを付けている。
プレフィクスはユーザーが自由に設定出来る項目なので、テーブル名をそれぞれの環境に適宜合わせて欲しい。
例えば、
UPDATE wp_options SET option_value=REPLACE(option_value,"www.old.com","www.new.com");
のような感じ。
wp-config.phpファイルのカスタマイズ
wp-config.phpファイルには、Wordpressがデータベースに接続するための情報が記載されている。
下記の項目を、引っ越し先の環境に合わせてカスタマイズする。
/** WordPress のためのデータベース名 */
define('DB_NAME', 'newdb');
/** MySQL データベースのユーザー名 */
define('DB_USER', 'newuser');
/** MySQL データベースのパスワード */
define('DB_PASSWORD', 'newpass');
/** MySQL のホスト名 */
define('DB_HOST', 'localhost');
.htaccessのカスタマイズ
下記に.htaccessのカスタマイズ例を示す。
.htaccessは、稼働している環境に依存するので、適宜自分の環境向けに読み替えてカスタマイズして欲しい。
<IfModule mod_rewrite.c>
RewriteEngine On
RewriteBase /
RewriteRule ^index\.php$ - [L]
RewriteCond %{REQUEST_FILENAME} !-f
RewriteCond %{REQUEST_FILENAME} !-d
RewriteRule . /xampp/htdocs/www.new.com/index.php [L]
</IfModule>
Windowsに引越したWordpressが動かない場合の対処
ローカルのWindowsに移設したWordpressが動かない場合は、取り敢えず、管理画面にログインできるか否かを確認する。
管理画面にログインできれば、そこで各種設定を変更すると、正しく動作する可能性がある。
特に、.htaccessのカスタマイズに苦労するような場合、一度、.htaccessを削除してから、管理画面で操作すると、Wordpressが再作成してくれる場合がある。
Windowsに引っ越したWordpressはテスト環境に最適
今回は、レンタルサーバーで稼働しているWordpressを、ローカルのWindowsに引っ越す手順をまとめた。
WordPressの移設は、データベーステーブル内のURLを書き換えなければならない。
使用しているテーマによっては、更に複雑な手続きが必要にもなるだろう。
ただ、レンタルサーバーと同じWordpress環境がローカルにあると、テストや実験など、何かと便利ではある。
WordPressのバックアップも兼ねて、Windows環境にWordpressを引っ越ししてみるのも良いだろう。