Pythonの開発環境としては、Pycharmが有名どころらしいが、Visual Studioでも、Pythonの開発が出来る。
既にインストール済みのVisual Studio 2017にPythonの開発環境を追加した際の手順をまとめる。
Visual Studio 2017にPythonの開発環境を追加する
筆者が普段使っているWindows10環境には、Visual Studio 2017が導入されている。
C#やVBの開発環境という印象が強いVisual Studio 2017だが、実はPython開発のIDEとしても機能する。
筆者のローカル環境にあるVisual Studio 2017でも、当然Python開発が出来るだろうと、メニューから「ファイル」→「新規作成」→「プロジェクト」を選択し、「新しいプロジェクト」ダイアログボックスを表示してみたが、プロジェクトのテンプレートに「Python」が無い。
Visual Studio 2017でPython開発を行うには、Python開発用のワークロードを追加しなければならないのだ。
Visual Studio 2017にPython開発用のワークロードを追加する
「Python開発」用ワークロードは、既にWindowsにインストール済みのVisual Studio 2017にも追加出来る。
稼働中のVisual Studio 2017にPythonを追加するには、Visual Studio Installerを使ってVisulaStudio2017の構成を変更する。
Visual Studio Installerは、下記いずれかの方法で起動できる。
- Windows スタートメニューからVisual Studio Installerを選択する
- Visual Studio 2017の「新しいプロジェクト」ダイアログボックスにある「Windows Studioインストーラーを開く」リンクをクリックする
どちらの方法でも、Visual Studio Installerが起動するが、2番目の方法は、Visual Studio 2017の「新しいプロジェクト」ダイアログボックスにあるリンクが目立たなく、少々戸惑うかもしれない。
Visual Studio Installerが起動すると、既にインストール済みのVisual Studioが確認出来る。
下図は、筆者の環境で起動したVisual Studio Installerだ。
Visual Studio Community 2017がインストール済みであることがわかる。
ここで、「変更」というコマンドボタンをクリックすると、追加可能なワークロード一覧が表示される。
ワークロード一覧画面で「Python開発」をクリックすると、ダイアログ右部にある「インストール詳細」リストで、Python関連のサポートモジュールがチェックされる。
「変更」コマンドボタンをクリックすると、Pythonワークロードのインストールが開始される。
ワークロードのインストールには、下記のインストール方法を選択可能だ。
- ダウンロードしながらインストールする
- 全部ダウンロードしてからインストールする
どちらを選択しても、Pythonワークロードのインストールに違いはないはずだが、筆者は「全部ダウンロードしてからインストールする」を選択した。
インストール完了後は、Windows10を再起動しなければならないが、強制的に再起動されることは無く、こちらの都合で再起動のタイミングを計れる点はありがたいことだ。
Python開発用ワークロードのインストール時はVisual Studio 2017を終了する
Pythonワークロードのインストールを始めると、下記のような警告表示がされることがある。
Visual Studio 2017を起動したまま、Pythonワークロードのインストールを試みると表示される警告だが、慌てずにVisual Studio 2017を終了し、「再試行」をクリックすることで、問題なく処理は終了した。
Microsoftが提供するVisual Studio 2017にPythonを追加インストールするための手順
Visual Studio 2017にPythonワークロードを追加でインストールする手順は、Microsoftが運営する「Visual Studio」のドキュメントの「Windows に Visual Studio の Python サポートをインストールする方法」が非常に詳しい。
Visual Studio 2017にPythonの開発環境を導入する際には、是非目を通すことをお勧めする。
Visual Studio 2017へPythonの開発環境を追加した感想
稼働中の開発環境に、新たな機能を追加するというのは、少々勇気が必要だ。
機能の追加によって、今まで問題なく動作していたIDEに障害が起れば、開発作業に支障が出てしまうからだ。
今回、Visual Studio 2017にPythonの開発環境となるワークロードを追加したが、その作業は非常にスムーズだった。
Microsoftが用意するドキュメントも丁寧でわかりやすい。しかも日本語で書かれたドキュメントだ。
システム開発の現場では、業務で使用中の開発環境のカスタマイズについてタブー視されることが多く、新たな機能のテストに二の足を踏む技術者も多いと思う。
筆者もそんな臆病な技術者の一人だが、Visual Studioの使い心地やメンテナンス性は、Eclipseなどと比較しても優位性が高いと感じる。
Python開発のためのIDEを選定中なら、Visual Studioを試してみても損はないだろう。